シミズの省エネ基礎知識

 

建物の省エネとは

建物における省エネルギー実現は、一つひとつの積み上げが大切です。
オフィスや病院、店舗などのビル省エネを図るターゲットとして、年間の消費エネルギーが大きい空調設備と照明設備に着目するのが効果的です。一般のオフィスビルの例では、空調に関わる消費エネルギーの割合は40%~45%、照明に要する消費エネルギーの割合は約20%をも占めています。この二つのアイテムで建物のエネルギーの3分の2近くを消費しているわけです。
したがって、これらに関わるエネルギー消費要素の見直しを図り、いかに無駄をなくし、効率的にエネルギーを使ってビルを運用していくかが、省エネルギー効果を最大化する鍵となります。

設備別省エネのコツ

空調設備

空調システムでの無駄と考えられるポイントは、温度設定や使用状況における無駄が挙げられます。部屋を冷やし過ぎたり、暖め過ぎたりといった無駄はないでしょうか。また、使用していない部屋まで空調していることはありませんか。
在室する人たちの作業内容や服装などにより、人が快適と感じる室温は大きく変わってきます。例えば夏の場合、体を動かす激しい作業などをしている部屋では冷房時の設定温度を低めにしないと快適ではありませんが、薄着をしている人が事務業務などしている部屋では設定温度を高めにすることができます。この理論から生まれたのがクールビズ、ウォームビズです。まずは省エネルギーを前提に建物内の使用条件を見直し、それに見合った諸設定を実践していくことが第一歩となります。
次に空調システムを効率化する方法ですが、高効率の機器・補機への更新、廃棄してしまう熱を少しでも回収できるシステムの採用、冬期・中間期における外気の有効活用、搬送エネルギーを減らす工夫などが挙げられます。建物ごとの物理的制約、コストとその効果を把握したうえで、建物に合う効率化改修を検討していくことが重要です。

照明設備

照明設備については、効率化の追求と無駄の排除が省エネルギーに大きく貢献することになります。
照明器具は年々高効率な器具に進化しています。まずはLEDなど省エネ設計の照明器具に変更するなど見直しましょう。
照明設備の無駄の排除については、人が不在のスペースでは照明を消灯したり減光したり、必要最低限の照度に抑える工夫を適用するなど無駄をなくすことができます。

その他の設備

空調・照明設備以外にも省エネルギーが可能なアイテムがあります。
エレベーターの動力削減や変圧器のロス低減のほか、衛生設備関係でも省エネルギーが可能です。一つひとつの省エネルギー手法の積み上げが、大きなエネルギー削減につながります。まずは運用の見直しなど簡単に採用できることから始め、設備の改修時期に合わせて導入可能な省エネルギーアイテムを検討し採用していくことが、現実的で効果的な省エネルギー対策になります。

自然エネルギーの活用

空調システムと照明システムに共通して考慮すべき省エネルギー手法は、自然環境の活用です。昼光や自然通風などの自然環境をパッシブエネルギーとして有効に利用することで、低コストの省エネルギーが可能になります。
また、太陽光や風力などで発電を行い、これらをアクティブエネルギーとして活用する事例も増えています。
ビル単位でも簡単に利用できる自然エネルギーを積極的に活用しましょう。

省エネ率とは

個別の省エネルギー対応技術について、その技術を採用することにより建物全体でどのくらいの省エネルギーが可能なのかを、一次エネルギー(石油、石炭、天然ガスなど自然から採取された物質を源とするエネルギー)の削減割合で示した数値が省エネ率です。
「省エネシミュレーター」で表示する省エネ率は、空調や照明設備などを運用するために建物で消費するエネルギーを、一般財団法人省エネルギーセンターが公表している「オフィスビルの用途別エネルギー消費構造」の比率で建物全体に占める省エネルギーの効果として表しています。

知っておくべき法改正

省エネ法における建築主等及び特定建築物の所有者の判断基準(省エネ基準)の見直し

省エネ法に基づく建築主等及び特定建築物の所有者の判断基準(省エネ基準)が非住宅建築物では2013年4月1日施行で見直されました(住宅は2013年10月1日から)。
省エネ基準の見直しでは、従来の建築物に係るPAL/CEC基準と住宅に係る外皮基準(暖冷房熱負荷基準、熱損失係数Q、日射熱取得係数μ)から、建築物・住宅ともに、外皮を通しての熱損失の防止に関する基準をクリアした上で建物の設計1次エネルギー消費量が基準1次エネルギー消費量を上回らないようにすることになります。

東京都環境確保条例 「総量削減義務と排出量取引制度の第二計画期間の削減義務率等」の決定

東京都で実施している大規模事業所へのCO2等の温室効果ガス排出総量削減義務に関する条例で、2010年~2014年の第1計画期間に引き続き、2015年~2019年の第2計画期間のCO2削減義務率が決定し公表されました。
地域冷暖房などを利用していない一般的なオフィスビル・商業施設・宿泊施設については、第1計画期間の8%削減義務から第2計画期間は17%削減義務へと大幅に削減義務率が引き上げられることになりました。

第2計画期間のCO2削減義務率(下記URLへリンク)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/04/DATA/20n48203.pdf